2019.04.24
お菓子と、砂糖の秘密〜効用・種類・用途〜
目次
はじめに
お菓子の裏面で原材料表示を見ると様々な原材料を使用されているのがわかりますが、それがどんなものなのか、なぜ使われているのかなどわからない事がたくさんあると思います。
その原材料を簡単にわかりやすく解説します。
まず、お菓子といったらあま~い砂糖ですね。
そもそも砂糖って何でしょう?簡単に説明しますね。
1、砂糖は何からできるの?
カエデ、ヤシからも砂糖はとれますが、普通使われている砂糖は甘しょ(さとうきび)からとる甘しょ糖と、てん菜(さとうだいこん)からとるてん菜糖の2種類です。
さとうきびはとうもろこしに似た糖分を含む茎は高さ3メートルから6メートル、直径が2.5~5センチにもなり、高温多湿を好み、年間平均気温が20度以上の土地によく生育され、水さえ与えれば雨量が少ない土地でも栽培でき多くの国で生産されています。日本の主な生産地は鹿児島と沖縄です。
てん菜は温帯の冷涼な地域に育ち、形は大根に似ています。糖分が含まれるのは根の部分で直径10~15センチ、長さ約30センチで重さは500gから1キロになります。日本の主な産地は北海道です。
砂糖への生成方法は異なりますが、いずれも同じ砂糖として扱われ、味に大きな違いはありません。
2、砂糖の効用
2-1 やわらかさを保つ
ごはんやパン、餅などを放っておくと固くなったりパサパサになったりします。これが起こるのは乾燥して水分が抜ける事が原因です。砂糖を加えると水分が砂糖と結びつき、砂糖は吸い取った水を離さないので乾燥はしにくくなり、いつまでもやわらかさを保ちます。
2-2 ジャム、マーマレード、メレンゲを作るのに役立
果物に含まれるペクチンがゼリー状に固まったのが、ジャムやマーマレードです。
砂糖がペクチンを網目のようにつなぎ、その網目の中に水を抱え込んでしまうためゼリー状に固まります。
卵白や生クリームをあわ立てて、メレンゲやホイップクリームをつくるとき、砂糖を加えるとあわ立ちがよく、できた泡がなかなか消えません。これは砂糖が水分と結びつき、乾燥をおさえるためです。
2-3 脂肪の酸化を防ぐ
バタークリームのケーキなど、脂肪を使った食品に砂糖を入れておくと、脂肪の酸化(劣化)がおさえられて味が悪くなりづらくなります。
砂糖の濃い溶液には酸素が溶けにくいからで、脂肪の酸化が抑えられます。
2-4 腐敗を防ぐ
砂糖は水分をかかえ込み、なかなか離さない性質を持っています。それは微生物も細胞の水分が奪われて活動ができなくなるからで、砂糖をたっぷり使ったお菓子やジャム、砂糖漬けが腐りにくいのはこのためです。
砂糖の入れ方が少ないと防腐の効果がなく、防腐の目的で砂糖を使う場合は、少なくても全重量の半分以上の砂糖を使う必要があります。
3、主な砂糖の種類とその用途
3-1上白糖
結晶が細かく、しっとりとソフトな風味です。どこの家庭にもあるおなじみの砂糖で和風料理、お菓子、飲み物などに相性が良いです。
出典:三井製糖
3-2グラニュー糖
結晶が上白糖より大きく、サラサラした高純度の砂糖です。たん白な甘さでコーヒーや紅茶に最適です。お菓子用、料理用にも幅広く使われます。コーヒーや紅茶用の一回分の袋でおなじみですね。
出典:三井製糖
3-3白ざら糖
結晶がグラニュー糖より大きく、無色透明で光沢のある、高純度の高級砂糖です。
ご家庭で使用されることは少なく、クッキーやゼリー、果実酒などに使われています。
出典:三井製糖
3-4中ざら糖
結晶の大きさは白ざら糖とほぼ同じで、黄褐色をしているが、純度の高い砂糖です。
独特なまろやかな風味をもっており、煮物などに最適な砂糖です。
出典:三井製糖
3-5三温糖
甘さも強く、特有の風味がある黄褐色の砂糖ですこってりとした煮物やつくだ煮に適しており、コクがでるとともに、料理をツヤよく仕上げる。
出典:三井製糖
3-6氷砂糖
キャンデーとして、そのまま食べてもよいですし、手作りの梅酒をはじめ果実酒用に最も適しています。
また、氷砂糖でいなり寿司などを煮ると美しいツヤが出ます。
出典:三井製糖
3-7角砂糖
グラニュー糖を四角に固めたもので、コーヒー、紅茶用として使われるのが一般的です。
また、菓子作りや料理に利用すると、重量が決まっているので便利です。
出典:三井製糖
3-8粉砂糖
白ざら糖やグラニュー糖などの純度の高い砂糖を細かくすりつぶしたもので、果物にかけたり、ケーキやクッキーのアイシングや洋菓子の上にかけるデコレーションに使用されたりします。
3-9黒砂糖
さとうきびの搾り汁を生成せず、そのまま煮詰めた砂糖です。甘さは濃厚で強い風味があり、その特徴を生かして、かりんとうなどの菓子に利用されています。
出典:三井製糖
終わりに
最近は健康意識も高まり、低糖質の物を好む傾向や糖分・砂糖・カロリーゼロなどを好む傾向があります。しかし、体を動かす事が多い人や受験など勉強をたくさんする人にとって、糖分は必要なエネルギーですので必要な量を補給する事が必要です。
すべての事に通じて言える事ですが「過剰摂取」は大敵です。
お菓子と、わたし 編集部