2020.04.15
お菓子な博物館 第3回 ~ポスター キャラメルと景品 編~
目次
今回はホーロー看板に引き続き、昭和レトロの世界へ。昭和30年頃のキャラメルと景品に関するポスターをご紹介します。
1. キャラメルと景品
第二次世界大戦後、「甘いものが食べたい」という欲求にまず応えたのが、キャラメルでした。
さらにおまけやカード入り、懸賞付きなど様々な工夫で子どもたちの心をとらえました。
ここでは昭和20年代後半~30年代頃のキャラメルと景品に関するポスターを集めました。
当時の子どもたちのあこがれの景品は何だったのでしょう。
2. 立花製菓 日ノ丸キャラメル
①日の丸キャラメルポスター
日ノ丸キャラメルの箱に入っているカードの点数を集めて景品に応募できるというポスター。
20点で氏名のゴム印(ポスターでは「大和 勇」という時代性が感じられる名前)、50点で彫刻刀セット・シャープペンシル・ボールペン、100点で高級万年筆・実用くさり・携帯用ペン入れ、最高の300点でハーモニカ・トランプ一組・高級アルバム というラインナップです。
また点数と別に、カード4枚で絵柄がそろうと、キャラメルがもう1個もらえたようです。
②「日ノ丸キャラメル」カード台紙
そして、これがキャラメルのカードを貼り付ける台紙です。(サイズは7.5cm×10.5cm)
野球のボールの形がそろえば、20点だったことがわかります。この台紙の持ち主は残念ながら揃えられなかったようです。
大阪にあった立花製菓ですが、昭和40年(1965)に、当時のカネボウハリス(現在のクラシエフーズ)に合併されています。
3. ダルマ製菓 サンスウキャラメル
③ダルマのサンスウキャラメルポスター
岡山県にあったダルマ製菓のポスターです。こちらもキャラメルに入っているカードでの懸賞品。
特賞は高級革グローブまたはフランス人形。その他は10点でキャラメル1箱、50点でクレオン(クレヨンと同じか)・鉛筆1ダース、100点で絵具・ガバン・筆筒・高級ゴム付鉛筆・高級ボールペン。「高級」と名のつく賞品が多いのが気になりますが、まだ粗悪品が多かったからなのかもしれません。
先の「日ノ丸キャラメル」と同様、文房具系の景品が多いのも、この時代の特徴といえます。
4. カバヤ キャラメル
④カバヤキャラメルポスター
全く違ったキャンペーンを展開したのはカバヤ食品。
カバヤキャラメルの景品として、昭和27年(1952)8月に世界の名作をダイジェスト版にした「カバヤ児童文庫」を創刊。
カードを50点分集めると、好きな本を選ぶことができました。このポスターには比較的初期に発行された文庫のタイトルが並んでいます。
⑤カバヤ児童文庫
本もなかなか買えない時代、子どもたちはキャラメルの箱に入っている引き換えカードを集めて、これらの名作を手にすることができました。
⑤カバヤ児童文庫
「可愛い小公女」の冒頭はこんな感じです。所々に挿絵もみられます。
カバヤ児童文庫について詳しく知りたい方はこちら↓
出典:カバヤ食品 HP
今回はキャラメルと景品に関するポスターをご紹介しましたが、当時はこの景品競争も社会問題になったのだとか。
子どもたちにとっては、お菓子を食べるだけでなく、カードを集めることで、あこがれの景品も手に入る。まだまだ娯楽も少ない時代、それだけで十分、楽しめたのではないでしょうか。
前回の記事はこちら ↓
<今回の展示品>
①ポスター 日ノ丸キャラメル/立花製菓 昭和30年頃 38.5 × 26.5 cm
②日ノ丸キャラメルカード台紙/立花製菓 昭和30年頃 7.5 × 10.5 cm
③ポスター サンスウキャラメル/ダルマ製菓 昭和30年代頃 53.5 × 37.5 cm
④ポスター カバヤキャラメル/カバヤ食品 昭和27年頃 52.5 × 38.5 cm
⑤カバヤ児童文庫
「母をたずねて」/カバヤ児童文化研究所編 昭和27年8月発行 約19×13.5 cm
「可愛い小公女」/カバヤ児童文化研究所編 昭和27年10月発行 約19×13.5 cm
所蔵:株式会社山星屋
yoshi
お菓子と歴史が大好きな、「お菓子な博物館」の専属学芸員。ここでしか見られない、貴重なコレクションを独自目線で皆様にご紹介します。好きなお菓子はロングセラーの定番商品。でも新製品も気になる(笑)