2020.03.19

お菓子な博物館 第2回 ~ホーロー看板編~


目次

 

前回はお菓子の歴史を簡単にご紹介しましたが、今回はレトロな魅力満載の、ホーロー看板を取り上げます。

1. ホーロー看板とは 

そもそもホーロー(琺瑯)とは、鉄やアルミニウムなどの金属の表面に、ガラス質の釉(うわぐすり)を高温で焼き付けたものです。金属の強さと、ガラスの耐食性があるため食器や調理器具にも使われています。

木製看板に比べると、薄い上に堅くて丈夫、そして何より色が美しいホーロー看板は、昭和30年代をピークに至るところで見られました。日用雑貨から食料品まで様々な種類の看板が作られましたが、テレビの普及にともなってCMが登場すると、徐々にその姿を消していきました。

 

2. グリコ ゴールインマーク 

 

おなじみのグリコのランナーの看板です。大きさは45×30cm。

描かれているゴールインマークは実は年代によって違います。このランナーは昭和20年~28年に使用されていた三代目ですので、この看板も昭和20年代に作られたもの。ところどころに傷みもみられる為、実際にお店で使用されていたものと思われます。

 

グリコのゴールインマークについて詳しく知りたい方はこちら → 出典:江崎グリコHP

 

3. 不二家 ペコちゃん

ミルキー看板

こちらもおなじみの不二家のペコちゃん。直径約46cmの丸型看板です。

先程のグリコの看板もそうですが、ホーロー看板は基本的に表裏とも同じ図柄が描かれています。壁面に貼るだけでなく、上から吊り下げて利用されることも多かったのでしょう。

昭和25年(1950)に誕生したペコちゃんは2020年になんと生誕70周年。ミルキーは翌年に発売されているので、この看板も昭和20年代後半から30年代頃と考えられます。

現在とはちょっと雰囲気の違うペコちゃんですが、当初はマニュアルもなく、様々なペコちゃんが存在していたそうです。

 

ペコちゃんについて詳しく知りたい方はこちら → 出典:不二家HP

 

4. 森永 ミルクキャラメル

森永ミルクキャラメル看板

最後にご紹介するのは、森永ミルクキャラメルのホーロー看板です。

2枚に分かれているのは、そのサイズが要因だと思われるのですが、一体どれぐらいの大きさなのか。

・・・正解は縦が45cm、そして横は2枚並べると277cmという特大サイズの看板です。
描かれているキャラメルの箱だけでも、先にご紹介したグリコの看板とほぼ同じ、というその大きさから推測するに、お店の軒下にでも掲げられていたのでしょうか。

 

今では、ほとんど見かけることもなくなったホーロー看板ですが、こうしてみると、なんともいえない魅力があります。

グリコやペコちゃんの看板はこれまで実際に展示する機会も何度かあったのですが、展示スペースに入らない大きな看板はこれまで出番がありませんでした。「お菓子な博物館」では、まだまだ出番を待っている資料たちにも注目していきたいと思います。

 

前回の記事はこちら ↓

> お菓子な博物館 第1回 ~お菓子の歴史編~

 

 

<今回の展示品>

・① ホーロー看板  グリコ/江崎グリコ  昭和20年代後半  45×30cm

・② ホーロー看板  不二家のミルキー/不二家  昭和30年代頃  直径約46cm

・③ ホーロー看板  森永ミルクキャラメル/森永製菓  昭和30年代頃  45×277cm(2枚分)

所蔵:株式会社山星屋

 

この記事を書いたライター

yoshi

お菓子と歴史が大好きな、「お菓子な博物館」の専属学芸員。ここでしか見られない、貴重なコレクションを独自目線で皆様にご紹介します。好きなお菓子はロングセラーの定番商品。でも新製品も気になる(笑)

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