2022.05.29
お菓子な博物館 第28回 ~ レトロな菓子瓶 前編~
貴重なコレクションを皆様にご紹介する 「お菓子な博物館」へようこそ
目次
昭和時代の駄菓子屋などの店内には、陳列用のガラス瓶が並び、様々なお菓子が売られていたようです。メーカー専用の瓶もあれば、招き猫型の瓶など、変わったものまで形も様々。
今回はそんな昭和初期~中期頃のレトロなガラス瓶を集めました。
1. 縁起物の菓子瓶たち
商売繁盛の意味も込められているのでしょうか。まずは縁起物をモチーフにした瓶からご紹介。
①
招き猫型のガラス瓶。右前足を上げているので、金運を招いているようです。
瓶の高さは約28cmです。
②
出典:写真AC
同じく縁起物といえば福助さん。ガラス瓶でもかなり再現されています。
蓋が「ちょんまげ」の代わりに見えるところが面白いですね。
③
七福神のお一人、大黒天。打ち出の小槌と大袋を背負っています。
下部分は大きな足‼ではなく、俵の上に乗っているお姿です。
④
こちらはこけし型の瓶。前面下部に「瑞光製菓」の文字が入っています。
⑤
④と同じ、瑞光製菓のだるま型の菓子瓶。
他と比べても、凹凸が少ないので、使い勝手はよさそうです。
2. いろいろな菓子瓶
続いては、縁起物以外の様々な形の菓子瓶をご紹介。
⑥
象型の瓶です。塗料が残っているところから、黄色い象だったのかもしれません。
大きさは、全長が約28cm。
⑦
変わったところで、サンタクロース型。こちらも大きな袋を背負っています。
赤と白の塗料が残っているので、分かりやすいですね。
⑧
前編の最後にご紹介するのは、おそらく河童(カッパ)型の瓶。
膝を抱えて座る姿が何とも言えません。
さて、今回はここまで。
こうして見ると、ガラス瓶の形がそれぞれ違って、当時の職人さんの技が感じられますね。
今ではプラスチック容器ですので、このような菓子瓶をみかけることも無くなり、貴重な存在です。
後編では、お菓子メーカー専用のガラス瓶をご紹介しますので、お楽しみに。
※前回の記事はこちら
<今回の展示品>
① ガラス製菓子瓶 「招き猫型」/昭和時代 高さ 約28cm
② ガラス製菓子瓶 「福助型」/昭和時代 高さ 約24cm
③ ガラス製菓子瓶 「大黒天型」/昭和時代 高さ 約36cm
④ ガラス製菓子瓶 「こけし型」 瑞光製菓/昭和中期 高さ 約32cm
⑤ ガラス製菓子瓶 「だるま型」 瑞光製菓/昭和中期 高さ 約24cm
⑥ ガラス製菓子瓶 「象型」 /昭和時代 約14×28× 高さ 21cm
⑦ ガラス製菓子瓶 「サンタクロース型」 /昭和中期 高さ 約26cm
⑧ ガラス製菓子瓶 「河童(カッパ)型」 /昭和時代 高さ 約35cm
所蔵及び掲載画像撮影:株式会社山星屋
yoshi
お菓子と歴史が大好きな、「お菓子な博物館」の専属学芸員。ここでしか見られない、貴重なコレクションを独自目線で皆様にご紹介します。好きなお菓子はロングセラーの定番商品。でも新製品も気になる(笑)