2019.07.02
美味しさの発見は山火事から!?知られざるチョコレートの歴史を大公開
子供から大人まで、幅広い世代に愛されているチョコレート。「いつからチョコレートは食べられているの?」「発祥はどこなの?」など、今回は知っているようで、知らないチョコレートの歴史を辿っていきます。
目次
1.チョコレートの発祥について
出典:写真AC
1-1.チョコレートの発祥地は今の「メキシコ」
チョコレートの歴史は、紀元前2000年頃に古代メキシコで始まりました。当時、チョコレートの原料になるカカオ豆は「テオブローマ」(神の食べ物)と呼ばれ大変貴重なものとされていました。
元々はカカオ豆を覆っている周りの果肉や繊維の部分を食べていましたが、偶然起こった山火事により、カカオ豆の良い香りと味が知られるようなりました。それ以降、カカオ豆を焼き、すりつぶして食べられるようになったと言われています。
1-2.富の象徴であったカカオ
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マヤおよびアステカ帝国文明の時代、カカオ豆はステータスシンボルとみなされ、カカオ豆を豊富に持つお金持ちは「知恵とパワー」を与えるとされるチョコレートドリンクを作りました。
当時は不老長寿の薬として扱われており、16世紀初頭のアステカ帝国の王「モンテスマ」は、チョコレートドリンクを黄金のカップで1日に50杯も飲んでいたと言われています。チョコレートドリンクは、カカオ豆をドロドロになるまですりつぶした後に、とうもろこしの粉やバニラ、トウガラシなどのスパイスを加え作られていました。
原料のカカオ豆はアステカ族の通貨としても使われ、カカオ豆4粒でかぼちゃ1個、10粒でウサギ1羽、100粒で奴隷1人が買えた値段に相当する程と言われており、チョコレートドリンクは大変高価なものでした。
2.ヨーロッパ全土に伝わるまで
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2-1.チョコレートが広まるきっかけ
ヨーロッパ人が、初めてカカオに出会ったのは、1429年のコロンブスがアメリカ大陸を発見した時と言われています。しかし、その際コロンブスは興味を持たず持ち帰ることはありませんでした。
全世界に広まるきっかけとなったのは、メキシコに遠征したスペインのフェルナンド・コルテス将軍がアステカ帝国を征服した際にカカオの効用に驚き、兵士たちの疲労回復に使用したことが始まりと言われています。
コルテス将軍は当時アステカ族が、カカオと薬草を混ぜ合わせることで、不老長寿、疲労回復だけでなく、歯痛、喉の炎症、赤痢、胃潰瘍、食欲不振、解熱、毒消しなど様々な病気の治療に役立つことを目につけ、スペイン国王カルロス一世にも献上し、そのことが全世界にカカオが広がるきっかけになりました。
2-2.約100年間、秘密にされたカカオ
カカオの輸入は非常に高価で多くの効用がある”薬”であったため、スペインでは約100年の間、知られないように秘密にしていましたと言われています。その間に、スペイン人は赤道直下の植民地にカカオ農園をつくり、砂糖などを加えた甘い飲み物として広めました。
その後、イタリア商人アントニオ・カルレッティが、この製法をイタリアに伝え、徐々に医薬品としてヨーロッパ全土に広まる事になりました。
3.日本にはどのように伝わったのか
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日本でのチョコレートの歴史は、1871年に岩倉具視一行が、パリでチョコレート工場の視察をした事と言われています。
日本国土に伝わったのは、18世紀末の鎖国時代、長崎に「しょくらとを」という名前で伝わりました。ヨーロッパ同様、当初は一部の上流階級の人々のみが食べるもので、また、お菓子としてではなく、薬として扱われていたようです。日本にはなかった色合いや味から、普及には時間がかかったと言われています。
国内で初めてチョコレートの販売がされたのは、1877年(明治10年)になってからで、当時の新聞にはチョコレートを漢字で表した「猪口令糖」と記載されています。
第二次大戦後にチョコレート産業は飛躍的に成長し、1918年(大正7年)には、初めてカカオ豆からチョコレートに至るまでを一貫して生産できるようになりました。
4.まとめ
チョコレートの歴史はいかがでしたでしょうか?元々は薬として扱われるほどの高価なものが、今は手軽に食べられるお菓子になっているのは嬉しいことですね。
今後チョコレートを食べる時は、奥深い歴史を感じながら食べてみるのも良いかもしれません♪
<参考サイト>
お菓子と、わたし 編集部