2025.06.17

【連載・グミ情報局】 #03「ソフトグミの今までとこれから」


グミの第一人者である日本グミ協会名誉会長 武者さんにインタビューし、グミのトレンドや奥深さについて触れる「グミ情報局」。
前回は「ハードグミの魅力」ということで、固いグミと言ってもたくさんの食感があることについてお話しいただきました。

そして第3回目となる今回のテーマは「ソフトグミの今までとこれから」です。ハードグミの反対であるソフトグミについて武者さんに語っていただきました!

それではどうぞ!

進化し続けるソフトグミを振り返り

―今回のテーマは「ソフトグミの今までとこれから」です。選んだグミについて教えてください!―
はい、今回選んだグミはこちらです。

選んだグミ

・UHA味覚糖 コロロ
・カバヤ ピュアラルグミ
・カンロ マロッシュ

ソフトグミはたくさんの個性と種類にあふれていて、現在も進化し続けています。この多様性があるグミに至るまでにいくつかのターニングポイントがあると思っているので、そのターニングポイントで活躍したグミを1つ1つお話していきたいと思います。

UHA味覚糖 コロロ

まずは、ソフトグミを語る上で欠かせない「コロロ」についてお話ししたいと思います。
この「コロロ」は、グミのイメージを一新したキーパーソン的な存在です。

「コロロ」が発売される前は、明治の果汁グミなどがソフトグミと呼ばれていたのですが、「コロロ」のみずみずしいグミを皮で包んだ本物の果実のようなコンセプトが、ソフトグミのイメージを一新したんです。

今でこそ「コロロ」は当たり前のようにグミだと言えますが、発売当時は「コロロ」をグミと言い切っていいのだろうか…という衝撃がありました。
この「コロロ」のコンセプトはそれまでのグミにはない唯一性があったので、ここで一気にグミの定義が広まりました。

カバヤ ピュアラルグミ

次に「ピュアラルグミ」について話します。
先程”「コロロ」は新しい食感とコンセプトでソフトグミを一新した”とお話ししましたが、この「ピュアラルグミ」は、グミにマシュマロの要素が加わったことがターニングポイントです。

「ピュアラルグミ」はりんご味から始まっていて、りんごの果実にあるふかふか感と、中に入っている蜜をグミで表現していると思っています。
果実のふかふか感はグミ外側のむにゅむにゅ、蜜は中のぷるぷるグミといった感じです。

この果実から始まったグミは、王道の「果汁グミ」とも果実そっくりの「コロロ」とも違う、ふわふわ感やマシュマロ感を持ったエアリーな食感がグミにあることを表現しています。
グミだけどマシュマロのような、他のお菓子の要素を含んでいることが、グミの定義をかなり広めたと言えます。

カンロ マロッシュ

そして次はマロッシュについてです。
先程の「ピュアラルグミ」では、グミにマシュマロの要素が加わったとお話ししましたが、この「マロッシュ」はグミよりもマシュマロの要素が強いことがターニングポイントです。

かつて「マロッシュ」のパッケージ裏面には「15秒でグミになるマシュマロ」と書かれていました。
これは”マシュマロなんです”という書き方をしているので、マシュマロとグミの要素が逆転しているんですね。

”マシュマロ風のグミではなく、グミ風のマシュマロ”というグミの定義がひっくり返るような革新的なコンセプトです。これは「ピュアラルグミ」のようなマシュマロ風のグミから更に進化しているので、「グミのマシュマロ化」とこの現象を名付けています。

3つのグミからソフトグミを振り返ってみましたが、グミの定義がどんどん広まって、「グミはどんな食感だってよくて、自由なものである」という土台が出来上がっているのかなと思っています。

最後に、今トレンドだなと思うソフトグミを3点ご紹介しますね。

今トレンドのグミを紹介!

トレンドとして選んだのはこの3つです。どれも方向性が違うソフトグミを選んでみました。

・アイデアパッケージ 天使のグミ 恵みの濃厚ぶどう味
・三幸製菓 もちきゅあ みたらし団子味
・UHA味覚糖 モッチュ 白桃味

アイデアパッケージ 天使のグミ 恵みの濃厚ぶどう味

「食べた瞬間、そこは天国」というキャッチコピーの、パッケージのインパクトがすごいグミです。
グミ自体はジュレたっぷりのふっくらしたソフトグミではあるのですが、このキャッチコピーや世界観から、「このグミを食べてみたい!」という気持ちになります。
「グミって自由」という土台から、世界観に振り切ったグミとしてピックアップしました。

三幸製菓 もちきゅあ みたらし団子味

おせんべいの会社である三幸製菓さんがグミに進出したという、新しい挑戦を感じるグミです。
米粉を使っていることと、味わいも和風、パッケージも和の雰囲気が出ていて、おせんべいの特色が存分に活かされているなと感じます。
こちらもグミの自由さから派生して、和風になってもおいしいんだ!というグミの定義が広まるコンセプトです。

UHA味覚糖 モッチュ 白桃味

「究極やわらかグミ」というキャッチコピーのグミで、やわらかさがグミのイラストやロゴから伝わってきますが、それ以上にパッケージに注目したいポイントがあります。

「もちきゅあ」では、パッケージに大きく”米粉を使った”と書いているのですが、「モッチュ」はやわらかさを伝えるための”吉野本葛使用”という文字が小さめに書かれているんです。

これは、素材=コンセプトではなくなっていることを表しているんじゃないかと思っています。
グミの食感を伝える要素がどんどん少なくなっていって、どんな素材を使っていても、すべては「グミの食感」になって集約されていくかもしれません。

この「モッチュ」は、そういったグミの素材についての未来を感じさせるグミでもあります。

さいごに

以上今トレンドのソフトグミをピックアップしました。
ソフトグミのこれまでを振り返ってみても、ソフトグミが常に進化し続けていることがわかっていただけたかと思います。
ぜひソフトグミの魅力でもある多様性を、楽しみの一つに加えて頂けたらうれしいです。

 

 

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武者慶佑 さんプロフィール

日本グミ協会名誉会長。2013年に「日本グミ協会」を設立、「マツコの知らない世界」など多数のメディアにご出演。 現在XとInstagramで合計23万人を超えるフォロワーを持ち、日々グミの情報を発信しています。 日本のグミ市場を盛り上げるべく、毎年9月3日の「グミの日」にイベントを実施。

 

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この記事を書いたライター

グミ情報局

グミについてのあれこれを連載してゆく新しい企画「グミ情報局」。 グミの第一人者である日本グミ協会名誉会長 武者さんにインタビューし、グミのトレンドや奥深さについてご紹介します!

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