2019.09.05

あのセンセイもスイーツ男子だった!~お菓子と、文豪~


芥川龍之介に、夏目漱石、森鴎外。この人たちの共通点といえば、もちろん歴史に名を遺した文豪ですが、もうひとつ。彼らは実は今でいう「スイーツ男子」だったということ! 随筆作品や親族が残した記録から、偉い先生たちも甘党だったことが明らかに。 今回は、あの人も!というスイーツ男子秘話をご紹介します。

目次

1.おしるこ大好き!芥川龍之介

芥川龍之介

「羅生門」「鼻」などで有名な芥川龍之介。やせ形体系でキリリとした表情が印象的ですが、随筆「しるこ」の中で関東大震災以降に汁粉屋が減ったことを嘆く文章を書いたり、作品の中で積もった雪のことを「砂糖漬け」と表現したりと、甘いものに関心があったようです。
特に上野「うさぎや」の「喜作最中」や浅草の「梅園」のおしるこが好物だったそうです。

おしるこ

出典:写真AC

2.家族がお菓子を隠すほどの甘党、夏目漱石

夏目漱石

「坊ちゃん」などで有名な夏目漱石もスイーツ男子でした。おしるこ、羊羹、駄菓子など和スイーツが大好きだったようです。また、アイスクリームも好きで、自宅に業務用アイスクリーム製造機まで設置したのだとか!甘党ゆえに糖尿病を患ったのにもかかわらず、身体を心配した家族が食べすぎないように隠した羊羹を探して、みつけて食べていたという逸話も残っています。すごい執着心。
「吾輩は猫である」では、西日暮里の「羽二重団子」が登場しています。 羽二重団子は正岡子規や泉鏡花も常連だったそうです。

羽二重団子
羽二重団子 出典:羽二重団子HP

本店は2019年の春にリニューアル!猫の形の「漱石もなか」も人気みたいですよ。

3.アレンジ派?森鴎外の饅頭茶漬け

森鴎外

「舞姫」が有名な明治の文豪、森鴎外。彼は饅頭をお茶漬けにする独自の食べ方を愛していたそうです。作り方は簡単。饅頭を4つくらいに割り、そのひとつをご飯の上にのせて煎茶をかけていただきます。このレシピは、彼の娘たちのエッセイに登場しています。 饅頭をお米の上に…最中ならなんとなくわからないこともないような? ということで、実際にやってみました。

①饅頭を4つくらいに割り、ご飯の上にのせる 

②煎茶をかけて完成!

饅頭茶漬け

饅頭茶漬け

今回は酒まんじゅうを使ってみましたが、煎茶に浸して崩しながら食べると、甘酒とおしるこを一緒に食べているような感じで、意外と(鴎外先生ごめんなさい)美味しかったです!台湾スイーツみたいな感じでした。

4.病床の楽しみはお菓子だった正岡子規

正岡子規

「柿食えば、鐘が鳴るなり、法隆寺」で有名な歌人、正岡子規。わずか34年という短い生涯を、俳句や短歌の創作活動にささげました。彼もまた、スイーツ男子でした。 子規の作品にはたびたびお菓子が登場します。隅田川沿いにある長命寺境内の桜餅屋に下宿していたのも関係しているかもしれません。店の看板娘との恋のうわさもあったようですが、スイーツ男子な子規は色気より食い気?だったという話もあります。 子規が下宿していた桜餅屋はまだ営業されていて、彼が食べたであろう桜餅の味を堪能することができます。

桜餅
桜餅

出典:長命寺櫻もちHP

 

葉にまきて出す まこゝろや 櫻餅

正岡子規 亡くなるまでの7年間は結核を患っていた子規ですが、闘病中も家族との団欒のひとときにお菓子を食べていたようです。

九月二十五日 午後  三人集って 菓子をくふ
九月二十六日 午後  家庭団欒会を開く  隣家よりもらひし おはぎを食ふ

5.日本推理小説の祖、江戸川乱歩が愛した饅頭

江戸川乱歩

日本の推理小説の祖とも言われ、現代にも多くのファンを抱えているのが江戸川乱歩。「怪人二十面相」や「D坂の殺人事件」など、映画やアニメにもなっています。 彼は70年の生涯のうち、30年間を池袋で過ごしました。そんな乱歩が愛していたのが、池袋に今もある「三原堂」の「薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)」です。 三原堂について「この店は池袋名物のうちでも光った存在の一つであろう」と書き残しています。

薯蕷饅頭 
薯蕷饅頭

薯蕷饅頭断面

薯蕷饅頭は粒あんとこしあんの2種類がありましたが、こしあんをいただきました。

三原堂といえばふくろうの形をしたかわいらしい「池ぶくろうもなか」もおすすめです。
くりくりのおめめが可愛らしく、中にはしっかり小倉粒あんと求肥が入っていて、小さいながら食べごたえがあります。乱歩先生も食べたかったはず!

6.おわりに

いかがでしたか?国語や歴史の教科書で見た、あの難しげな顔をしている偉人たちがスイーツ男子だったとは。ちょっと身近に感じられたのではないでしょうか。 歴史上の人物や偉人のお墨付きとなると、スイーツにあまり関心のない男性も「おっ?」となるのでは。贈り物に、ちょっとした偉人の小話付きでいかがでしょうか。

この記事を書いたライター

yu-ko

ゆるキャラ、コネタ、音楽(ライブ・フェス)、乗り物好き。鉄道・恐竜好きの4歳児の母。子供と楽しめる玩菓の紹介や、クスッと笑えるコネタ記事をお届けします。好きなお菓子は「うまい棒」「チップスター」。

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