2025.10.20

1000円でお釣りが来る、デパ地下のハロウィーン菓子3選〜お菓子パッケージの世界 第36回~


――おかき・お煎餅で楽しむ、大人のハロウィーン

十月に入ると、街のショーウィンドウもパッと色合いが変わります。オレンジと紫を基調にしたハロウィーンの装飾、かぼちゃや黒猫のイラスト、遊び心いっぱいのパッケージ。ハロウィーンというと、どうしても「甘いお菓子」のイメージが強いですが、最近は米菓メーカーからも、思わず“パケ買い”したくなるようなセンスあふれるハロウィーン限定商品が登場しています。

今回は「1000円でお釣りが来る」という手軽さで、しかも大人がもらって嬉しい、デパ地下発の“しょっぱいハロウィーン菓子”を3つ、ご紹介したいと思います。

1.富士見堂「江戸折り紙 ハロウィーンVer.」681円(税込)/4種10袋入り

まずご紹介したいのは、東京・深川に本店を構える米菓専門店「富士見堂」のハロウィーン限定ボックスです。

富士見堂は「東京のおかき屋さん」として知られ、江戸の下町文化を背景に、職人が手間ひまかけて焼き上げる素朴で上質なおかきが人気のお店。その代表作のひとつが、この「江戸折り紙」。

今回のハロウィーンバージョンは、名前の通り、折り紙をモチーフにしたユニークな箱に入っています。開けると、まるで紙を折り重ねたような造形の中に、個包装のおかきが並んでいる姿が印象的。紫やオレンジの差し色で、さりげなくハロウィーンらしさを演出しています。

中身は4種類。

刻み海苔:香ばしいお米の風味に、海苔の磯の香りが広がる上品な味。
黒米揚げ:黒米のぷちぷち感と軽い揚げ加減がクセになる一品。
小丸揚げ塩:定番の塩味で、誰にでも好まれるシンプルなおいしさ。
ひとくち醤油:甘辛の醤油だれが香ばしく、大人のお茶うけにぴったり。

どれも食べやすいひとくちサイズで、ハロウィンイラスト付きのものも2枚入り。職場での差し入れや、来客時のお茶請けにも喜ばれるでしょう。おかきのひと袋を開ける瞬間、和の香りとともに、ハロウィーンらしい遊び心が感じられるのが魅力です。

2.桂新堂「赤えび炙り焼き(ハロウィン)」6袋入り/594円(税込)

次は、えびせんべいの老舗として名高い「桂新堂」。名古屋を拠点に、百貨店で幅広く展開しているので、ご存じの方も多いと思います。桂新堂といえば、海老そのものの旨みをぎゅっと凝縮したせんべい。ひと口で、海老の香ばしさが口いっぱいに広がるのが特徴です。

今回のハロウィーン限定品は「赤えび炙り焼き」。なんと、6袋入りで594円という手に取りやすさ。ワンコイン感覚で買えるのに、デザインはしっかり凝っていて、ちょっとしたギフトにも十分映えます。

注目すべきは、そのボックスデザイン。表にはかぼちゃのジャック・オー・ランタンやコウモリなどが描かれ、裏面にはまた違うイラストがあしらわれていて、表と裏で印象が変わる楽しさがあるのです。置いておくだけでもインテリアのように華やかで、ちょっとした会話のきっかけにもなりそう。

お味は、桂新堂ならではの赤えびの香ばしさが前面に出ていて、軽い食感ながら深い旨みが感じられます。ビールやワインと一緒に楽しめば、ハロウィーンの夜を大人っぽく過ごすお供にも。甘いスイーツに飽きた頃、塩気と旨みが恋しくなったときに手が伸びる、まさに“おつまみ系ハロウィーン菓子”です。

3.赤坂柿山「ハロウィンハウス」11袋入り/864円(税込)

最後にご紹介するのは、東京・赤坂に本店を構える「赤坂柿山」の「ハロウィンハウス」。

赤坂柿山は、高級あられやおかきを手がける老舗で、上品な味わいと美しいパッケージが魅力。贈答用としても根強い人気を誇ります。

「ハロウィンハウス」は、その名の通り、家の形をしたボックスに入ったおかきセット。小さな家の屋根から中を覗くと、オレンジや紫に彩られたハロウィーン柄の個包装が並んでいて、見ているだけでワクワクします。

カラフルポップな個包装の数々は、まるでハロウィーンパーティーの宝箱。子どもはもちろん、大人でも思わず笑顔になる仕掛けです。

お味は、定番の醤油味をベースに、軽やかな食感で食べ飽きないおいしさ。個包装になっているので分けやすく、イベントの場で配るのにも最適です。11袋入りで864円という価格も手頃で、見た目と内容のバランスが絶妙。テーブルにちょこんと置いておくだけで、パーティーの雰囲気を盛り上げてくれることでしょう。

 

ハロウィーンといえば、チョコレートやキャンディーの山を想像しがちですが、日本ならではの「米菓のハロウィーン菓子」は、ちょっと新鮮で、大人にも嬉しい贈り物。

* 富士見堂の「江戸折り紙」では、折り紙のような箱と4種類のおかきの食べ比べ。
* 桂新堂の「赤えび炙り焼き」は、香ばしいえびせんと遊び心あるパッケージ。
* 赤坂柿山の「ハロウィンハウス」は、家型のボックスと個包装の楽しさ。

どれも1000円でお釣りが来る価格帯でありながら、手に取る人の心を華やかにしてくれます。

甘いものが苦手な方も一緒に楽しめる、日本の米菓ハロウィーン。パッケージを開く瞬間の高揚感、ひと口かじった時の香ばしい幸せ。今年の秋は、ぜひデパ地下で見つけてみてください。

 

 

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堤信子さんプロフィール

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福岡県生まれ。県立修猷館高校から青山学院大学経済学部を卒業後、FBSにアナウンサーとして入社、その後フリーに。日本テレビ「あさ天ファイブ」「ズームインスーパー」、TBS「はなまるマーケット」のレギュラーを長年つとめ、現在、フリーアナウンサー、大学講師、コラムニストとして活躍中。また、文具やお菓子箱のコレクターとして、NHK Eテレ「デザインプラス」、NHKワールド「カワイイインターナショナル」、TBS「マツコの知らない世界」「サタデープラス」などにご出演。

▶連載コラム

講談社ファッションウェブマガ「mi-mollet」 文具と雑貨連載ブログ「今日の愛おしいもの~文具と雑貨~」、ライフスタイル連載「お菓子箱ラバー堤信子の愛おしいおやつ、時々珈琲」

▶エッセイ

インスタグラム「イービーエムさやん」 ミニエッセイ連載「あなたのここちよさを作る習慣」

▶書籍

・「TOKYO文具雑貨散歩~旅鞄いっぱいの東京」辰巳出版(新刊)
・「堤信子のつつみ紙コレクション」玄光社 
・「旅鞄いっぱいの京都ふたたび」実業之日本社 
・「旅鞄いっぱいのパリふたたび」実業之日本社
・「旅鞄いっぱいの京都・奈良」エイ出版社
・「旅鞄いっぱいのパリ・ミラノ」本の泉社
・「100人中99人に好かれるありがとう上手の習慣」ディスカヴァー21社
・「ありがとうの届け方」主婦と生活社
・「堤信子の暮らしがはずむちょっといい話」実業之日本社

▶「お菓子パッケージの世界」連載に向けて、読者の皆様へメッセージ

癒されるお菓子、幸せを運んでくれるお菓子を、みなさんとともに五感で楽しみ、その小さな喜びを文字にしていけたらと思っています。 よろしくお願いいたします。
この記事を書いたライター

堤 信子

フリーアナウンサーでお菓子箱コレクターの堤信子さんが、癒されるお菓子、幸せを運んでくれるお菓子を、五感で楽しむ連載企画「堤信子さんと巡るお菓子パッケージの世界」。好きなお菓子は「多すぎて書ききれません!」

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