2019.06.11

ドーナツの穴は何のため?ドーナツの歴史


甘くておいしいドーナツ、食べれば誰もが笑顔になるお菓子のひとつですね。
ところでドーナツって、アメリカ発祥じゃないって知っていましたか?
そういえばドーナツの穴って、なぜあるのでしょう。そもそもドーナツの定義とは?
身近なのに意外と知らない、ドーナツのあれこれについて探ってみました。

ドーナツの原型は、オランダで作られていた「オリボーレン」という小麦粉、砂糖、卵で作った生地を発酵させ、ラードで揚げたボール状の菓子だと言われています。
よく資料として紹介されているのはワシントン・アーヴィングというアメリカの作家が書いた文章です。

甘い生地(ドウ)を豚脂で揚げたボール状の菓子が皿に山盛りで出されることがつねに誇らしいこととされ、その菓子はドーナツ(dough nuts)またはオリクックと呼ばれていた。おいしいケーキの一種で、この都市ではいまのところまだめずらしく、生粋のオランダ人家庭でお目にかかれるが、オールバニー(NY州の州都)では、お茶の集いの場に絶対に欠かせないものになっている。

『世界の終りからオランダ王朝の終焉までのニューヨーク史』ワシントン・アーヴィング 1809年

この文章には異論もあり、オランダ以外の国からの伝承だという説もありますが、ヨーロッパ各地で同時期に「オリボーレン」のような揚げ菓子が食べられており、それが大航海時代にアメリカに伝わったと考えられます。

ドーナツの名前の由来は?

ドーナツの名前は「Dough(ドウ)」:生地と「Nut(ナッツ)」:木の実からきており、真ん中にクルミをのせた揚げ菓子が一般的でした。

ドーナツの歴史

アメリカ人との関係

シンプソンズホーマーの絵

©The simpsons/FOX

ドーナツといえばアメリカのイメージを持つ人も多いと思います。アメリカの国民的アニメ、シンプソンズの主人公、ホーマー・シンプソンの大好物はドーナツです。
なぜドーナツ=アメリカ、というイメージがついたのでしょう?
それには、アメリカの戦争と産業の歴史が関係しているようです。

ドーナツガールズの活躍

出典:wikipedia

ドーナツは簡単に早く作れ、安くておいしいため、ヨーロッパから伝わった揚げ菓子にアメリカの人々は夢中になりました。
第一次世界大戦中、救世軍の女性たちが戦地のアメリカ兵を元気づけるために、ドーナツを配ったところ大好評に。終戦までに100万個以上を配ったと言われています。
人々のドーナツ愛と愛国心が結びついた瞬間だったのではないでしょうか。

冷めやまぬアメリカ人のドーナツ愛

戦後、アメリカは大量消費社会へ突入。ドーナツはますます人気となり、大量生産されました。
世界的に有名な「クリスピー・クリーム・ドーナツ」などのドーナツメーカーがアメリカ発であることもドーナツ=アメリカのイメージが強くなった要因のひとつでしょう。

ドーナツの穴のひみつ

ドーナツの写真

出典:写真AC

さて、ドーナツといえば真ん中に穴が開いているイメージがあります。
この穴、どうして開いてるのでしょうか?
ドーナツに穴が開いた由来は諸説あります。

① 真ん中生焼け説

船乗りのグレゴリー船長という人が、母親のつくった揚げパンがいつも生焼けだったため、真ん中を指で押し出して穴をあけた。

② 操舵輪ひっかけ説

船乗りのグレゴリー船長という人が、船の操舵輪にパンをひっかけるために穴をあけた。

③ クルミ無し説

ヨーロッパではドーナツの真ん中にクルミがのっていたものが主流だったが、アメリカではクルミの入手が困難だったので穴をあけるようになった。

④ インディアンの矢説

アメリカ先住民であるインディアンの放った矢がたまたまパン生地の真ん中にあたり、油の中に落ちた。

みなさんはどの説を支持しますか?

ドーナツの定義は?

そもそも、ドーナツの定義ってあるのでしょうか?

大辞林では、「小麦粉に砂糖・バター・卵などをまぜてこね、丸く輪にして揚げた菓子」と定義されていますが、実際にはさまざまな種類があり、近年は焼いたり蒸したりして作られたものも、広くドーナツと呼ばれています。

主なドーナツの種類

イーストドーナツの写真ケーキドーナツの写真フレンチドーナツの写真

ドーナツボールの写真ツイストドーナツの写真あんドーナツの写真

・イーストドーナツ:イーストで発酵させたドーナツ
・ケーキドーナツ:ベーキングパウダーでふくらませたドーナツ
・フレンチドーナツ:シュー生地で作ったドーナツ
・ドーナツボール:丸いボール状のドーナツ
・ツイストドーナツ:生地をねじって揚げたドーナツ
・あんドーナツ:あんこ入りのドーナツ

出典:グリコ栄養食品HP

おわりに

戦時中に兵士がドーナツガールズからもらったドーナツは、どんな味だったのでしょう?
きっと故郷を思い出す、懐かしい、なんとも言えない贅沢な味だったのではないかと思います。
ドーナツに限らず、お菓子って、いつの時代も人々を元気づけ、気分を明るくさせてくれる存在なのではないでしょうか。

ドーナツの歴史物語画像

参考文献:『ドーナツの歴史物語』ヘザー・デランシー・ハンウィック 

 

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