2025.04.21

博多のお土産、チロリアン特集~お菓子パッケージの世界 第30回~


今回は、わが故郷博多の美味しいお土産菓子がテーマです。
まもなくゴールデンウィーク、故郷への帰省や旅行などで、空港や駅でお土産を買う方も多いと思います。

そこで、私が先日福岡空港のお土産売り場で見つけた、懐かしくて新しいお菓子をご紹介しましょう。

チロリアン

それは、千鳥饅頭総本舗(千鳥屋)の「チロリアン」。サクッと焼き上げた軽い食感のロールクッキーに、千鳥屋オリジナルの口どけなめらかなクリームが入った洋菓子で、私が子供の頃は、ご褒美おやつの代表格でした。昭和の頃から愛され続けるこの銘菓ですが、その人気はとどまるところを知らず、今もどんどん進化し続けています。

チロリアン

チロリアンの誕生は1962年、当時の責任者であった原田光博氏が、京都から来たせんべい職人が作っていた筒状の飴せんべいに着想を得て、本で見たオーストリアのチロル州の伝統菓子をモデルに、中にクリームを詰めて売り出したお菓子です。当初は「洋風巻きせんべい」という名称でしたが、その後名称は「チロル州のもの」を意味する「チロリアン」に。今や、千鳥饅頭総本舗を代表するお菓子となり、長年、老若男女に愛され続けています。

お邪魔したのは、福岡空港にある、「チロリアンフォレスト」というチロリアン専門店。定番アイテムに加え、新製品やコラボアイテムがずらり並んでいます。

今回私が手に取ったのは、博多にちなんだこちら。袋入りの8本「チロリアン(伊都物語 のむヨーグルト味)」と「チロリアン(八女抹茶味)」、そして小箱入りの4本「チロリアン(梅味)」「チロリアン(スタンダード)」です。

 

まず、「チロリアン(伊都物語のむヨーグルト味)」。8本入り540円税込

チロリアン

“のむヨーグルト 伊都物語”とのコラボレーションによるこの一品は、サクッと軽やかに焼き上げられたクッキー生地の中に、爽やかなヨーグルト風味のクリームがとろり。福岡・糸島生まれのヨーグルトのやさしい酸味とまろやかさが、口の中でふわっと広がります。「チロリアン」と「伊都物語」――福岡の名物2つが手を取り合うと、1+1=3という美味しさに進化する、そんなことを感じさせてくれるコラボチロリアンです。

 

次に、深みのあるグリーンのパッケージが目を引く「チロリアン八女抹茶味」。8本入り540円税込

チロリアン

こちらは、緑茶の名産地、福岡の八女地方で育まれた抹茶をふんだんに使った、贅沢なチロリアンです。発酵バターの香ばしさが広がるクッキー生地と、上品で濃厚な抹茶クリームとのハーモニー。抹茶特有のほろ苦さと香りが、甘さを抑えて大人の味わいです。クリームの抹茶カラーもとっても綺麗です。お茶好きな方への贈り物にもぴったりの一品です。

 

そして、お菓子箱好きにはたまらない、手のひらサイズの愛らしい「チロリアン小箱〜太宰府梅」。4本入り324円税込

チロリアン

小箱には、太宰府天満宮の梅の花、神主さんと巫女さん、そして太宰府の神事に欠かせない木彫りの鳥「木うそ」のイラストが!凝ってますよね。個包装の袋を開けるとほのかに香る梅の香り。梅味のチロリアンなんて新鮮!!クリームの甘さと酸味のバランスが絶妙です。甘酸っぱさが程よい、ちょっぴり大人なテイストでした。

 

一方、「チロリアン小箱〜スタンダード」4本入り324円税込は、やっぱり外せない定番の味。

チロリアン

ミルク、ストロベリー、チョコレート、コーヒーの4つの味が楽しめるアソートタイプで、昔から変わらない安心感があります。小さなロールの中に詰まった4種類のクリームは、どれもやさしく、どこか懐かしい。昭和時代からあるこの4種、子どものころの思い出が蘇ります。チロリアンが初めてという方にはこの小箱、喜ばれます。

 

店頭には、他にも「熊本の阿蘇ミルク」「宮崎マンゴー」「博多あまおう苺」「佐賀の嬉野紅茶」などなど、九州名物とのコラボチロリアンが色々と並んでいて、九州の玄関口らしい品揃えが、気分をワクワクさせてくれました。

チロリアン

千鳥屋のチロリアンは、時代とともに変化しながらも、芯のあるおいしさを守り続けているところが魅力です。そして、地元・福岡の素材とコラボしたり、季節限定や地域限定の味を次々と展開したりと、どんどん進化していて飽きません。

 

チロリアンは、旅の思い出とともに、誰かに届けたくなるやさしいお菓子。そんなお土産が故郷にあるって、幸せなことですよね。

福岡の美味しいお土産菓子は、他にもたくさんありますので、また折を見てご紹介いたします。

 

 

 

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堤信子さんプロフィール

堤信子さんプロフィール画像

 

福岡県生まれ。県立修猷館高校から青山学院大学経済学部を卒業後、FBSにアナウンサーとして入社、その後フリーに。日本テレビ「あさ天ファイブ」「ズームインスーパー」、TBS「はなまるマーケット」のレギュラーを長年つとめ、現在、フリーアナウンサー、大学講師、コラムニストとして活躍中。また、文具やお菓子箱のコレクターとして、NHK Eテレ「デザインプラス」、NHKワールド「カワイイインターナショナル」、TBS「マツコの知らない世界」「サタデープラス」などにご出演。

▶連載コラム

講談社ファッションウェブマガ「mi-mollet」 文具と雑貨連載ブログ「今日の愛おしいもの~文具と雑貨~」、ライフスタイル連載「お菓子箱ラバー堤信子の愛おしいおやつ、時々珈琲」

▶エッセイ

インスタグラム「イービーエムさやん」 ミニエッセイ連載「あなたのここちよさを作る習慣」

▶書籍

・「TOKYO文具雑貨散歩~旅鞄いっぱいの東京」辰巳出版(新刊)
・「堤信子のつつみ紙コレクション」玄光社 
・「旅鞄いっぱいの京都ふたたび」実業之日本社 
・「旅鞄いっぱいのパリふたたび」実業之日本社
・「旅鞄いっぱいの京都・奈良」エイ出版社
・「旅鞄いっぱいのパリ・ミラノ」本の泉社
・「100人中99人に好かれるありがとう上手の習慣」ディスカヴァー21社
・「ありがとうの届け方」主婦と生活社
・「堤信子の暮らしがはずむちょっといい話」実業之日本社

▶「お菓子パッケージの世界」連載に向けて、読者の皆様へメッセージ

癒されるお菓子、幸せを運んでくれるお菓子を、みなさんとともに五感で楽しみ、その小さな喜びを文字にしていけたらと思っています。 よろしくお願いいたします。
この記事を書いたライター

堤 信子

フリーアナウンサーでお菓子箱コレクターの堤信子さんが、癒されるお菓子、幸せを運んでくれるお菓子を、五感で楽しむ連載企画「堤信子さんと巡るお菓子パッケージの世界」。好きなお菓子は「多すぎて書ききれません!」

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