2022.02.04
お菓子な博物館 第26回 ~ 3月12日は「だがしの日」~編
目次
最近のレトロブームやおうち時間の増加で、子ども達はもちろんですが、大人にも人気の駄菓子(だがし)。
皆さんは「だがしの日」(3⽉12⽇)があるのをご存じでしょうか。
そこで、今回は昭和時代の駄菓子のレトロなパッケージなどをご紹介したいと思います。
出典:写真AC
1. だがしの日とは
3月12日は「だがしの日」です。
これは、一般社団法人DAGASHIで世界を笑顔にする会 が2015年に制定したもので、お菓子の神様である田道間守(たじまもり)公の命日(=神になられた日)に由来しています。翌年からは毎年イベントも開催されています。
現在の駄菓子(だがし)は子どもでも買える「安価なお菓子」を指しますが、江戸時代には貴重な砂糖を使った菓子「上菓子」と対照的な意味で「駄菓子」と呼ばれたようです。
2. 駄菓子のロングセラー<昭和のレトロパッケージ>
駄菓子の世界でもロングセラー商品は多くあります。
(1)オリオン製菓 ココアシガレット
①
まずは、オリオン製菓の「ココアシガレット」の小箱。(5本入 定価5円)
昭和26年(1951)発売のシガレット型砂糖菓子です。
発売当初は5円だったそうなので、このパッケージはおそらく昭和20年代後半頃のものでしょうか。
裏面には“近代人の味覚にあった砂糖菓子として苦心研究の結果製造したもの”とあります。
現在のパッケージはこちら。ほぼ変わっていないところが驚きですね。このレトロなパッケージは今でも人気で、色々なグッズも発売されています。
出典:オリオン製菓HP
そんなオリオン製菓に取材したこちらの記事もおすすめです。
「ミニコーラ」「ココアシガレット」お馴染みのアノ駄菓子の秘密を探ってみた!!
ココアシガレット柄のグッズ一例
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(2)コリス フエガム
②
コリスのフエガムとトーイ(糖衣)ガムの入った「コリスおみやげガム」。
これは駄菓子屋などに納品される時の箱です。(1連10円×30入)昭和レトロな男の子が描かれてますね。
フエガムは昭和35年(1960)から発売されており、実はフエラムネ(昭和48年発売)よりも歴史は古いのです。
現在の「ニューフエガム」パッケージ。3個パックは当時と同じですね。
出典:コリスHP
③
こちらもレトロかわいいパッケージ。フエガムも賞品に入っている、「コリス リズム―ド ガム」の紙箱のふた部分です。(5円×80付)
昭和40年代頃の駄菓子屋向け商品で、「総当り!」とあります。
一粒入りの味ガムにくじが付いており、1~10の番号でコリスセットの他、ガムケースやフエガム、フーセンガムなどが必ず当たるようです。どんな賞品だったのか気になりますね。
(3)サンヨー製菓 モロッコフルーツヨーグル
④
サンヨー製菓の「モロッコフルーツヨーグル」の80個入紙箱。(70付+おまけ10)
昭和36年(1961)発売ですので、こちらも60年以上歴史のあるロングセラー商品。
発売当時は5円でしたが、昭和49年(1974)オイルショックにより10円に、現在は20円です。(それでも安い‼)
これは10円時代のものですので、昭和50年代頃の駄菓子屋にはきっとこの箱があったはずです。
昭和レトロなパッケージは、赤・黄・青がよく使われてますね。
そして現在はこちら。パッケージの象さんが少し変わりましたね。
出典:サンヨー製菓HP
(4)共親製菓 粉末ジュース
⑤
共親製菓「粉末清涼飲料 詰合せジュース」の紙箱。(5円×30袋入)
いちご・みかん・メロン・パイナップルの昭和レトロなパッケージが何ともいえません。
昭和30年代後半頃から粉末のジュースの素が流行し、様々なメーカーから発売されていました。
本来は水に溶かしてジュースとして飲むのでしょうが、筆者は子どもの頃、粉をそのまま食べていた記憶があります(笑)
さくらんぼ餅もよく知られていますが、粉末ジュースも健在です。
(参考)共親製菓HP
さて、今回はここまで。
駄菓子屋だけではなく、スーパー・コンビニでも安価で気軽に買える駄菓子。
こうしてみると、長く愛されていることがよくわかります。
改めて、駄菓子文化って素晴らしいですね。
※前回の記事はこちら
<今回の展示品>
① 紙箱「ココアシガレット」/オリオン製菓 昭和20年代後半頃
② 紙箱「おみやげガム」30個用/コリス 昭和中期 約20×18×6cm
③ 紙箱(ふた部分)「リズム―ド ガム」80個用/コリス 昭和40年代頃 約32×27cm
④ 紙箱「モロッコフルーツヨーグル」70付+おまけ10個用/サンヨー製菓 昭和50年代頃 約17×28×6cm
⑤ 紙箱「粉末清涼飲料 詰合せジュース」30袋用/共親製菓 昭和中期 約13×25×3cm
所蔵及び掲載画像撮影:株式会社山星屋
yoshi
お菓子と歴史が大好きな、「お菓子な博物館」の専属学芸員。ここでしか見られない、貴重なコレクションを独自目線で皆様にご紹介します。好きなお菓子はロングセラーの定番商品。でも新製品も気になる(笑)